もっとも近年のロレックスの高騰は、もはや為替だけでは説明できない上昇率です。
詳細な実勢相場についてはこの後ご紹介いたしますが、なぜ他の輸入品と比べてロレックスはここまで急騰しているのか。その理由は、ロレックス特有とも言うべき現象となりますが、もともとの供給量よりもはるかに需要が上回ることが挙げられます。
とりわけデイトナやGMTマスターIIは正規店でほとんど手に入らず、並行輸入店が仕入れを競い合う状態に。http://www.noobshop777.com/
「どんなに値上がりしても、ロレックスのスポーツモデルだけは必ず売れる」とは某バイヤーの言葉。
さらに前述した新型コロナウイルスの影響によってユーザーの購買マインドが変化したことも、ロレックス高騰の背景の一つとして挙げられます。レジャーや飲食への消費から、高級嗜好品消費へとシフトし、ロレックス需要が増えている、というわけです。また新型コロナウイルスに留まらず、ロシア・ウクライナ危機によって原油や貴金属類が高騰した結果、そもそもの原価が高騰し、各メーカーは定価改定(ロレックスでも2022年、既に二度に渡る定価改定が行われています)。定価改定がすぐに実勢相場に反映するわけではありませんが、仕入れ値が上がる、および定価改定によって話題性が高まった結果、ロレックスへの買いがいっそう集中し、ますますロレックスの品薄・相場高騰は加速しているのが現状なのです。
このような状況下においてもロレックス自体の「買い控えが始まった」という話は一向に聞かず、むしろ多くの時計店が価格競争を行うため、非常に回転よく売買がなされている製品でもあります。この傾向は、ボーナス商戦がスタートしたり、今年の新品が出回り始めたりする今後の季節において、ますます激化すると容易に想像できますね。