ロレックスのミルガウス 1019は、耐磁性能に特化したプロフェッショナルウォッチとして、ヴィンテージウォッチの世界で人気の高いモデルです。
ミルガウスは、フランス語で1000(ミル)と磁束密度の単位(ガウス)を組み合わせた名前で、1000ガウスの強磁場に耐えることができる時計です。この耐磁性能は、ムーブメントをインナーケースで覆うことで実現されており、医者や物理学者、電気技師など、強い磁気にさらされる職業の人々向けに開発されました。
Ref.1019は、1959年に登場したミルガウスのセカンドモデルで、1964年から大幅なデザイン変更が加えられました。このモデルでは、無骨な長短針と繊細な秒針が特徴で、ダイヤルはブラックとシルバーの2種類が存在します。また、スムースベゼルを採用し、針やインデックスがよりシンプルになり、ターゲット層が広がりました。
Ref.1019には、このモデルのために特別に開発されたCal.1580が搭載されています。このムーブメントは、耐磁性能を高めるために特殊素材が使用され、テンプが独特なカラーリングを持ちます。さらに、ムーブメント全体を耐磁板で覆うことで、1000ガウスもの耐磁性を実現しています。
Ref.1019の製造期間は1959年から1991年までで、約30年間と長く、この期間で基本的なデザインは変更されませんでしたが、細かいディテールの変遷があります。現在、中古市場ではRef.1019は非常に高値で取引されており、価格帯は405万3000円から497万7600円となっています。ブラックダイアルの個体は希少性が高く、高額な相場となっています。
Ref.1019には、リベットブレスレットが使われており、これはロレックスが1960年前半に開発したアンティークウォッチの象徴的な特徴です。また、バックルにはロレックスの王冠マークが開閉部に配置され、シングルバックルとなっています。
ロレックスミルガウス 1019は、耐磁性能に特化した実用性とヴィンテージウォッチとしての高級感を兼ね備えた、特別な一本です。