時計史にその名を刻む伝説の二色ベゼル。ロレックスコピーGMTマスター 16700は、その長い変遷の中で、アルミニウムベゼルを最後に使用したモデルとして、コレクターから特に高い人気を誇る一本である。それは、新旧の技術が交差する、過渡期の貴重な証人なのである。
この時計の最大の特徴は、その「変わりゆく素材」にある。ケースとブレスレットは、磨き上げられたステンレススチール製。しかし、このモデンの象徴であるベゼルは、後に主流となるセラミック「サーチェス」ではなく、「アルミニウム」で作られている。この素材は、経年変化による独特の風合い(エイジング)を生み出し、一つとして同じ表情を持たない味わい深さを備える。特に「ペプシ」の愛称で親しまれるブルー&レッドのベゼルは、コレクションにおいて特に高い価値を築いた。
文字盤は、GMTマスターらしい高い視認性を堅持する。大きく太いバトンインダイヤルと、24時間を指し示す針が、第二時間帯の確認を容易にする。初期モデルには「SWISS」のみが刻まれた文字盤も存在し、細かなバリエーションが愛好家の探究心を刺激する。
内部には、自動巻きムーブメント「キャリバー3175」が搭載されている。当時としては最新の技術を投入し、日付の高速切り替え機能「クイックセット」を備え、実用性を高めた。
ロレックス GMTマスター 16700は、単なるヴィンテージ時計ではない。それは、素材と技術が移り変わる時代の狭間に生まれた、「生きた歴史」の一片である。時を経て深まるその味わいこそが、多くの人を惹きつけてやまない所以なのだ。