ロレックスの歴史に金色の輝きをもたらしたサブマリーナ 16803は、伝統と革新の融合によって新たな伝説を生み出した。1980年代に登場したこのモデルは、初めて18カラットイエローゴールドとステンレススチールを組み合わせ、ツートンカラーの魅力的な世界をダイバーズウォッチにもたらした。
40ミリのケースは、堅牢さと機能性を追求したロレックス哲学を体現している。ステンレススチールの実用性とゴールドの華やかさが見事に調和し、海中での探検から社交界での夜会まで、あらゆる場面にふさわしい存在感を放つ。回転ベゼルには、高い耐傷性を誇るサファイアクリスタルのインサートが採用され、当時としては画期的な技術革新であった。
ブラックの文字盤は、サブマリーナシリーズの伝統を受け継ぎつつ、金色のインデックスと針が華やかなアクセントを添える。
ロレックスコピークロマライト発光材を施した時標は、暗所での優れた視認性を確保し、プロフェッショナルな潜水時計としての本質を失わない。日付表示には、ロレックス特有のサイクロップスレンズが採用され、視認性の向上に貢献している。
心臓部を支えるCaliber 3035自動巻きムーブメントは、日付機能を瞬時に切り替えるクイックセット機能を搭載し、当時の最先端技術を集約した。このムーブメントの採用により、16803は精度と信頼性において新たな基準を確立した。
300メートルの防水性能は、サブマリーナシリーズの基本仕様でありながら、二色の組み合わせによって初めて「高級スポーツウォッチ」という新たなカテゴリーを開拓した。ツートンのブレスレットは、それぞれ異なる金属特性を考慮した設計が施され、着け心地と耐久性の両立を実現している。
16803は単なる時計の進化を超え、ロレックスが高級時計市場における地位を確固たるものにした記念碑的なモデルである。この時計の登場は、機能性と高級感を両立させる可能性を示し、後の高級スポーツウォッチ市場全体に大きな影響を与えた。今日でも、そのデザインは色褪せることなく、コレクターから愛され続ける伝説の一枚として輝き続けている。