1992年のバーゼルワールドでロレックスは新たな航海の仲間を世に送り出した。プロフェッショナルダイバーズウォッチとしての堅牢性と、マリンレジャーにふさわしいラグジュアリーな美しさを融合させた「ヨットマスター」コレクションの誕生である。2019年、このコレクションは新たな進化を遂げた。Ref.226659は、42mmケースに軽量で錆びない「RLXチタン」を採用し、従来のゴールドモデルとは一線を画す、スポーティーで洗練された新世代のヨットマスターである。
42mmのRLXチタンケースは、ロレックスが新たに開発したグレード5チタンである。従来のステンレススチールと比較して約30%の軽量化を実現しながら、その強度は同等以上。厚さはわずか12mmに抑えられ、存在感と軽快な装着感を両立している。サテン仕上げとポリッシュ仕上げを巧みに使い分けた表面処理が、チタン特有の落ち着いた輝きを引き出している。
最大の特徴は、マットブラックのセラクロム(セラミック)製ベゼルと、黒漆塗りのような深みのあるブラックダイアルの組み合わせである。このモノクロームの世界観が、時計全体に引き締まった印象とミニマルな美しさを与えている。ベゼルの目盛りにはプラチナがPVD蒸着され、永遠の輝きを約束する。特徴的な夜光塗料「クロマライト」を施した針とドットインデックスは、暗所では長時間にわたって鮮やかなブルーの発光を放ち、確かな視認性を確保する。
心臓部に搭載されるのは、ロレックス自社製の新世代キャリバー3235である。14の特許技術を誇るこのムーブメントは、約70時間という長期パワーリザーブを実現し、週末を挟んでも正確な時を刻み続ける。クロノメーター精度を超えるスーパーラティブクロノメーター認定の精度は、驚異の±2秒/日である。シースルーバックではないが、その分、堅牢な防水性能を確保している。
オイスターブレスレットは、ケースと同じくRLXチタン製で、約15mmの延長が可能なグライドロック延長システムを備えている。これにより、ウェットスーツの上からでも完璧なフィット感を実現する。フォールディングクラスプには、さらに安全クラスプも備えている。100mの防水性能も、ヨットのデッキで十分な実用性を保証する。
226659は、単なる時計ではない。それは、白金の軽やかさで紡ぐ、新たな航海のためのコンパスであり、モノクロームの美学を極めた、現代のスポーツエレガンスの体現者なのである。