時計の世界で「ロレックス」という名は、オイスターケースの堅牢なスポーツモデルを想起させる。しかし、チェリーニ・コレクションは、そのイメージを覆す唯一のドレスウォッチ・ラインである。Ref.50519は、16世紀ルネサンス期の金細工師ベンヴェヌート・チェリーニに由来するこのコレクションに、2014年に加わった「デイト」モデルだ。
直径39mmの18Kホワイトゴールド製ケースは、丸みを帯びたクラシカルなシルエットを持ち、スーツの袖口に優雅に滑り込む。ケースの厚みは9.5mmに抑えられ、ドレスウォッチとしての気品を損なわない絶妙なプロポーションを実現している。
ダイヤルの真髄は、3時位置に配されたポインター式の日付表示にある。ブルーのギョーシェ彫りサンバースト文字盤は、光を受けるたびに表情を変え、白い金のケースと見事なコントラストを描く。アプライドされたバトン型インデックスと、端正な剣型針が、クラシカルな美しさを完成させている。
心臓部には、自動巻きムーブメント「キャリバー3165」が搭載されている。31石の宝石軸受を備え、約48時間のパワーリザーブを誇る。ロレックスがこのモデルのために開発したこのムーブメントは、COSC認定のクロノメーターとして、その精度は折り紙付きだ。
ブラックのアリゲーターストラップは、18Kホワイトゴールド製のピンバックルで留められ、ドレスウォッチとしての品格を完成させている。50mの防水性能も備え、日常使いに十分な実用性を誇る。
50519は、単なる時計ではない。それは、ロレックスが持つもう一つの顔——優雅で詩的な美学——を結晶させた、身に着ける芸術作品なのである。